ヤクルト古田監督の言う「ファンサービス」
最近はプロ野球チームもIT企業や広告代理店を呼んでファンサービスを考えている、という。
「ファンのため」という言葉を軽々しく発言する他の野球選手と違って、古田監督は「行動する監督」だという。自分で名刺を配っている、そしてファンの声を直接募る、というニュースが華々しく流れていた。
だが、群がるちびっ子ファンに名刺を配る古田の目は虚ろで大層面倒臭そうな表情だ。配るというより「ばら撒く」。街頭のティッシュ配りでももう少しまじめに配るだろうというほど態度が悪い。むしろ、「配ってやっている」という意識が見え見えだ。
そんな社会人の基本すら疑問符の付く古田の名刺配りだが、記載されたアドレスには悠に数万通のメールが届いているそうで、プロ野球というコンテンツのパワーには驚くというより他は無い。
サイン会を増やしてほしい。
レディースデーを作ってほしい。
学割を作ってほしい。
ヤクルトファンが球団や古田監督に望む意見はこのような内容らしい。
国民的スポーツを自負する野球だが、まあ「こんな事もやっていなかったのか」というほど初歩的な要求が多数だという。
この報告を受けて、古田監督は「なかなかおもしろいね」「全部実現はできないが、やれるところはやっていきたい」とテレビでコメントしていた。
誰の発言かを抜きすれば、この発言は「何もやらない政治家」が発するコメントとまったく同じもの。経営センスのある人間なら、まず切実なファンの声がこれだけ集まった事に心から感謝し、「今すぐできるのはどれだ」「なぜこんな事ができなかったのか」と部下に指示を出すはずだが、古田の反応は真剣味に欠け、遊びの領域を脱していないように映る。この調子ではファンの熱い思いは塩漬けにされるだろうし、まず何も実現しないと考えて間違いないだろう。
参加している宣伝・戦略のプロ集団にとっては「お遊びに付き合わされた」感覚だろう。実に苦々しい思いではなかろうか。
もちろん彼の仕事は野球チームの采配で勝たせる事であり、球団経営の黒字化ではない。ファンサービスを考えるフリを「やっている」だけで「とりあえずかっこいい監督」のイメージ作りは十分とも言える。だが、古田の「ファンのため」とは所詮この程度である。
本来は球団の営業スタッフが全存在を賭けてやらなければならない仕事を「素人の古田監督に丸投げ」している組織の態度が最も悪いのだが、おしゃれな事をしてニュースにしてもらい「野球ファンの支持」を集めようとする古田の行動の虚飾ぶりが目に余る。
選手会長としてストを決行した古田だが、組織をまとめ大きくする能力があると勘違いしてはいけないだろう。
経営者としての「資質・センス」はかなり低い。
| 固定リンク






コメント