ipodを買わず
個人所有のCDがかなり多くなっているから、以前から気になっていたipodを買う気マンマンで札幌のヨドバシカメラに赴いた。
ただっ広い店内を2周しても売場が見つからないので、店員に聞く。
「ipodはどこに置いてるの?」
「そこをまっすぐ行ったところにあります。」
「・・・あのねぇ、(カウンターをげんこつで叩いて) さっきまっすぐ通ってきて分からんから聞いてるの。」
メーカー派遣のキャンギャルから「なにあの人」みたいな視線をもらってしまう程「態度の悪い客のふり」をしてあげないと質問の意味が分からないようだ。
「でも私はプリンターのコーナー担当ですから」
アタマに来たので耳の遠い老人に聞くようにジェスチャーを加えて
「え、え、っと。。誰に聞いたら教・え・て・くれるんで・す・か??」
こうまでしないと、この店では目標の品物にたどり着けないようなので、来店する際は気に留めておくと良いと思う。
売場でipodを触ってみようとしたが、電源が落ちていて触れないし、5分たっても店員が誰も来ないので、ひとまずパソコン部品を買う事にする。
パソコンコーナーの店員はさすがに精鋭揃いで、希望の品物を言うと、どれがお薦めで、これを買うとポイント割引率もお得で、値段的にはこうなる、デビットカード支払いならこの銀行は事前手続きが出来ていないと使えない、などなど時間ロスの無い、「納得の買い物」が出来た。カウンターでの客さばきも達者で、こちらも気持ち良く散財。
で、くだんのipod。MP3機器コーナーの女性店員が付くが、全く要領を得ない。買おうという気持ちがどんどん萎える。
「・・・ねぇ、この品物、買って欲しくないの?」
「それはお客様がどういう使い方をしたいかによります。」
「・・・あなたipod触った事あるの?」
「ありません。」
「今、爆発的に売れてて話題になってるんじゃないの?」
「それなりに売れてますが」
こんな調子だから、対応パソコンの確認、付属品の在庫の確認にいちいち10分待たされる。
店員がいい加減根を上げて、マック担当の店員を呼んでくる。
この男は多少知識もあるようなのでマトモな買い物になりそうだ、と見て、先の店員は低脳だ、担当コーナーの「話題の商品」を触った事すらないなど許されるのか、とグサリと言っておいて、「ipodのバッテリの寿命はどうか」、「なんで7000円もするアップルの保証サービスのようなものをセット販売しているのか」、壊れるから保険がいるという事か、と軽くジャブ。
すると、答えはこうだ。
「誰からそんな噂を聞いたんですか。」
「そんなもん、インターネットで日本中に知れ渡ってるやん。」
「確かに交換用バッテリは1万円します。ただし寿命は使用状況で変わってくるのでなんとも言えません。」
対応が硬く、高圧的なのだ。マックマニアの店員とはこういうものかもしれないが、接客態度としては気分が悪い。
「そうかもしれないですね~。良くも悪くもアップルですから。でもそれを考慮してもこういう時にこんな風に使えるから、いい品物だと思いますよ。ホラ。」
こういう風に切り返してくれれば私はipodを買って帰ったと思う。
ipodいいよ~、と今頃このページでも自慢してたはずだ。
ところがこちらの話に理解を示さず、単なる口うるさい客だとばかりに私の話を否定するだけに及ばず、終いには「そんなに不安があるならお客さんが"インターネットで"調べたらいいじゃないですか。」「お客さんは問題点を指摘するばかりで目的が何なのかよく分からないのですが」とヌカした。どうもこの店員にとって、客とは「品物を手にとるだけで大満足して大喜びして、商品を褒め称えて買って帰る」のが客というものらしい、、、あのねぇそんなもんじゃ、関西やったらCD-Rメディア1枚も売れまへんで。ケチをつけるところが商いはスタートするもんです。
「・・・あのねぇ、この品物、買って欲しくないの?」
「それはお客様がどういう使い方をしたいかによります。」
結局さっきの繰り返しである。しかもトゲトゲしい。
大体、「買って欲しいです。買ってください」という気持ちのかけらも見せないのである。一気に買う気が無くなったが、高笑いでその雰囲気をフォロー。
最後の情けをかけることにする。
「・・・で、この品物は今買いなの?」
「それもお客様がどういう使い方をしたいかによります。」
あーあ、しょうがないなぁ、と苦笑交じりの「高笑い」で答える私。
「ヨドバシカメラ札幌店の店員は商品のセールスポイント一言も口に出せないんだなぁ」、と思いながら。
結論を言うと、買わずに帰った。
いい商品なので、買っても良かったが、店員の対応がしゃくに障ったし、「そんなクソ店員の給料がこの商品価格に上乗せされている」と考えるとサイフを出す気は無くなった。
全く残念な事をしたものだ。ヨドバシカメラ。そして、ユーザーを一人失ったアップル社。
最後の最後の対応をした人間が接客を間違えた為に、売り上げを失ったのだ。こういうケースは私に限った事ではなく、売り上げが伸びない (いや本来あるべき売り上げを落としていると言っても良い) 小売店の根源的問題になっているはずだ。
ここで、解決策を示しておこう。私が総合電器店の店長ならこうする。
「店員へのチップ制度を導入する」のである。
会計の際に、店員はレジ前で名刺を渡し、客はカードなり、クーポンなり、シールなりで「3%、5%、10%」と店員への評価を示すモノを一緒にしてレジに渡すようにすれば良いだろう。バイト君には名刺を持たさず、「品出し専門」とでも背中に書いて並べておけば客も迷わない。
この実にシンプルな方法で店員ひとりひとりの接客態度、意識、能力は劇的に変わる。仮に接客態度の悪いムカつく店員がいたとしても商品価格はその分が差し引かれているのだから、客は気にせず商品を買い、「お前ムカついた」と言ってチップをくれてやら無ければよい。「金を払ってやる」気分を味わう事で客の満足度も高まる。
またこれで小売店は何ら負担をかけずに売り上げを伸ばす事が出来る。全ての人間が万々歳である。
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